ご挨拶 先端芸術表現科准教授 飯田志保子

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人々が国内外を往来し、領域を横断する表現がさほど珍しいものではなくなった今日、

新しさという意味での先端性を求めるならば

芸術領域の最先端を切り拓こうと試みる実践者は困難な時代を生きているといえよう。

だが先端の表現を探求することは、必ずしも新しさや前衛的であることだけを意味しない。

歴史のなかで見過ごされ、こぼれ落ち、言説化されてこなかったものに目を向け、

現代と切り結びながら光を当てることも時にはラディカルでありえる。

現代は私たちが生きる今という時間であり、なおかつ過去と向き合い、

未来へ橋渡しをする「あいだ」の時間でもある。

「インターメディア・アート」を志すアーティストや研究者は、人と時間と空間のあいだに身をおき、

多種多様な素材を自在に駆使して、実社会のなかでそれらをつなぐ媒介者たろうとする者である。

卒業・修了というひとつの区切りを迎えた学生は、

芸術文化の実践者として社会に出るスタートラインにようやく立ったところだ。

この先は終わりなき長い道程が待っている。

その過程は時に孤独で、迷いの連続かもしれない。

そのような時には、また別の厳しい道程を歩んできた先人たちの存在や

在学中のさまざまな出会いを思い出し、大きな展望を失うことなく、

社会における媒介者として誇りを持って

自分が選んだ道程を切り拓いていくことを願っている。

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